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機能訓練指導員って?-鍼灸師の新しい選択肢-
看護師や理学療法士、作業療法士、あん摩指圧マッサージ師など医療系の国家資格を持ってると自動的についてくる資格で、要は車の免許持ってる人は原付乗れるみたいな感じです。
主にデイサービスや介護施設で、利用者の方の身体機能の維持・向上のためのリハビリを担当したりします。
*このブログは私の偏見に満ち溢れた内容となっていますのであらかじめご了承ください
29歳になりました五十嵐です。いつかのブログで私が介護付き有料老人ホームに就職したところまでお話ししました。
結果的にその会社で4年間機能訓練指導員として働きました。
ネットで”機能訓練指導員”と検索すれば業務内容はいくらでも出てくるので、今回は実際に老人ホームで機能訓練指導員として働いていた経験から長所と短所を紹介していこうと思います!
待遇面
接骨院や鍼灸師で働いていた人からすると、
- 勤務時間が短い!(8:30〜17:30など。治療院は9:00~21:00が基本)
- ボーナスがでる!(治療院は基本でない。でても寸志のところが大半)
- 社会保険も充実!(個人で経営してる治療院は入ってないところが多い)
といった福利厚生の面からみると天国のような条件で働けるのが機能訓練指導員です。
”もう接骨院で朝から晩までヘトヘトになるまで働いて、休みまで治療の勉強会とかで出勤するの嫌だ!”とか
”なんでこんな働いてるのに残業代もないしボーナスもないんじゃ!とにかく金くれよ!”とか
”今から接骨院開業とか無理!もうサラリーマンになりたい!でも未経験の業種に転職も怖い!”
みたいな人には定年まで働けるし給料も安定しているし、会社によっては有給なんかも使えるので機能訓練まじでオススメです。(治療院で有給休暇は都市伝説レベル)
精神面
接骨院や鍼灸院だと
「回転率!回転率!ベッド回せーー!」
「リピート!リピート!トーク磨いてリピートさせろーー!」
みたいな売り上げ重視の院も少なくないです。
(人の体を治したくてこの道に進んだのに・・・)とモヤモヤしてる治療家は少なくないはず。
デイサービスや老人ホームなら多少の時間の制約はあるにしても、機能訓練指導員に売り上げや集客を求められることはほとんどないといってもいいと思います。
治療院にくる患者さんとは年齢層も違えば体の悩みも違いますが、おじいちゃんおばあちゃんは基本的に一生懸命な若者に優しいです。(一部例外あり)
女性が強い
介護業界を牛耳るのはなんといっても、女性です。それも主にミドル世代。
この世代と上手くやっていければ勝ち。嫌われたらほぼ終わり。とにかくクセが強いんじゃ!
看護師が最強
施設で働いている人の職種は
- 介護士
- 看護師
- 機能訓練指導員
- 事務方
- 調理士
ざっくりいうと、この辺です。
この中でも看護師の言うことは絶対です。施設には医師は常駐していないので利用者さんの健康管理の全責任は看護師さんにあります。なにより病院などでブイブイ言わせてきたベテランの看護師さんが多いので医療の知識も豊富です。
なので看護師が病院への受診を指示すれば、施設長でも逆らえません。
そんな人に我々機能訓練指導員が意見をしようものなら・・・
医療の知識も経験も豊富で勉強になることも多いので、ここは逆らわずに言うことを聞いておくのがベターでしょう。
介護業務に関わることも
当然ですが入居者・利用者は要介護認定を受けている要介護者です。
介護課のスタッフは慢性的に人不足なので手が足りない時はヘルプに入ることもあります。助け合いですね。
ヘルプに入ることで、利用者さんの身体機能の把握もできるので一石二鳥ですが、はじめは排泄介助なんか抵抗があると思います。
なんとか乗り切りましょう!
*ちなみに面接時に「介護業務はやらなくて大丈夫です」と言われても、ほぼやることになるので安心してください
同資格者内でヒエラルキーが低い
これは特に私の偏見かもですが、接骨院や整形外科、鍼灸院で働いている同資格者からなんとなく見下されやすいのが機能訓練指導員です。
これは業界の風潮というか、長時間働いて頑張ってる人が偉いみたいな世の中の風潮があるのでどうしようもないです。
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ついついネガティブなことを書きすぎてしまいました。それでも私は4年間介護施設で働いてきましたし、今でも要介護状態の方を対象に訪問鍼灸をしています。
初めて入った老人ホームの印象は、外の世界とは隔離された異次元の世界でした。
- 何言ってるかわからない人
- 自由奔放でワガママ放題の人
- 同じこと永遠と話してる人…etc
様々な理由で自宅では生活できない人が、施設で生活しており今まで介護の世界と無縁だった私には本当に文字通り右も左もわからない状態でした。
中でも脳梗塞の後遺症による片麻痺の方や、パーキンソン病が進行し表情が虚ろで食事や排泄も全て介助で生活されている方たちを見たときは、教科書で覚えた自分のイメージとの解離に衝撃を受けたのを覚えています。
思い出すときりがないくらい嫌なことや辛いこともたくさんありました。
それでもなんとか頑張ってこれたのは、普段は歩けない利用者さんが平行棒の中でなんとか一往復歩けて”先生のおかげ!”なんて言ってくれたり、ムスーーっとしてる利用者さんが笑顔になってくれる瞬間はグッとくるものがあります。
要は単純に人に感謝されることがやりがいなんです。
なので
- 福利厚生がしっかりしてる会社がいい
- 給料は安定してる会社がいい
- 郷に入ったら郷に従える
- 介護業務もなんとかやれそう
- おじいちゃんおばあちゃんが好きだ…
こんな人は機能訓練指導員として働くのもオススメです
以上簡単に機能訓練指導員の内情のようなものを挙げてみました。
進路に迷っている資格者の方の参考になれば幸いです
ちなみに私は今、寝たきりや体の痛みで自力での通院が困難な方を対象とした訪問鍼灸を主な業務としておこなっています。訪問鍼灸をやる上で機能訓練指導員としての経験があると、高齢者との会話スキルや介護の知識がある程度身につくので、ケアマネージャーや現場のスタッフとのやりとりがスムーズになります。訪問鍼灸での独立を検討している方は一度機能訓練指導員として働くのオススメです。